実際に行った人に聞いてみたシリーズ第3弾☆海外音楽フェスもフジロックもこよなく愛する女性にインタビュー!《後編》

海外のアーティストに、日本をステージに選んでほしい

‐海外音楽フェスについて、今後どうしたいというのはありますか?
エリコ:
ゆくゆくはもっと日本の人が海外のフェスに出向いて行って、アーティストに
「あ、日本人結構いるな??」と思ってもらい、日本をフェスの場に選んでもらえるようにしたいですね。
そのために、

日本人にもっと世界の音楽フェスに行くよう布教活動しなきゃ笑
ayako
おお!その発想はもはやお客さんではなく、オーガナイザー視点!
本当に好きな人だからこそ、続き、発展することを考えるという気持ちがある方だなあと感じます。

フジロックも海外音楽フェスと同じくこよなく愛するエリコさんは、
グラストンベリーで、昔から通っているおじいちゃんに

「どうだ?グラスト最高だろ?こんなの日本にあるか?」といわれて、
「フジロックがあるよ!」と答えたそう。

エリコさんが愛してやまないフジロック↓

一方で、フジロックに海外からきているお客さん(インドネシアの方)に話しかけたら、
「Fujirockers from Indonnesia」という手作りのTシャツを着ていたんだそう。

そこにエリコさんはグラストンベリーにいた自分を重ね合わせたという素敵なお話も。
音楽が国境を越えて、いろんな人の好奇心がめぐりめぐるようですね。

エリコ:
フジロックは、より本場を求めて海外からお客さんがくるようなフェスになっているんだと思って
誇らしかったですね。
もはや、アジア圏の大きなハブとしてのフェスなので、もっとこれから注目されて、
もっと多くのアーティストが世界から来てくれるのではと思っています!

海外音楽フェスへでかけるあなたへ

ーこれから海外音楽フェスに出かける人たちへメッセージをお願いします!

エリコ:
思っているよりも用心はしたほうがいいということですね。
私自身、アメリカに行く時なんかでも日本の10倍くらい用心してます。

スリとかもそうだし、思わぬ法律違反で自分が捕まるなんてこともありえますし。

あと、グラストンベリーやコーチェラにも盗難はあります。

日本人って顔や服装で目立つんですよね。だから狙われやすい。

日本は本当に安全だから、普段麻痺してることが多いけど、ちゃんと用心はしましょうね。

ayako
たしかにそうですよね。安全面がちゃんとしていないと、フェスを楽しむことはできないですね。安全は本当に大事だと私も常に思ってます。

エリコ:
あと、初心者の方へのメッセージとしては、
コーチェラは導入編としておすすめです。環境面で厳しさはそんなにないし。
もしフジロックに行っている人なら大丈夫です。フジロックが環境的にいちばん厳しいから笑

はるばる海外音楽フェスに出かける理由

ーさいごに、エリコさんが海外音楽フェスに行く理由ってなんでしょうか?

エリコ:

異文化体験があるからですね。

単に海外旅行だと、自分から能動的に何かをしないと異文化体験てあんまりないと思うんですけど、
フェスに行くと、意図していなかった異文化体験があるんですよね。

たとえば、今年のグラストンべリー2019で、ヒッピーテントでネイキッドヨガをやっていて、
テントの中からハイになった全裸の人が出てきてびっくりしました。。

お客さんの姿勢に見る、表現へのリスペクトについて

あと、お客さんの音楽の感じ方とか、MCに対するお客さんのレスポンスとかが違う。

日本は同じような恰好で、同じような動きで、じっと聞く・・みたいなことが多いけど
海外の人たちは演奏中でもかまわず喋るし、自分勝手。
でも、何かを表現するということに対してリスペクトを日本よりも感じますね。

日本のフェスのお客さんがどちらかというと、自分さえ楽しめればいいみたいな感じがある。
海外はみんなが主役ではあるけど、アーティストに対するリスペクトがちゃんとある感じがします。

たとえば、地蔵問題とかもそうですよね。
日本人は我慢強いのか、おめあてのアーティストまでステージ前に場所取りをして動かず、
お目当ての人以外は知らんぷり、なんてこともあるけど、
これ、何年か前のサマソニで、海外アーティストがキレたことがあるんですよ。

海外だと地蔵と呼ばれる全力待機みたいな人はそんなにいない。待つ忍耐力がないのかもしないけど笑

だから誰でも、ステージを見たかったら割と前に行けるんです。
ステージごとにお客さんがちゃんと循環する印象があります。

音が鳴ってからお客さんが集まってくるから「知らないから見ない、興味ない」ということはなく
知らないことに対して好奇心が強いのか、知ってようが知らなかろうが、
よいと感じたものに素直に反応している気がします。

ちなみに、

フジロックのお客さんはわりと海外音楽フェスに近いのでは・・?

と思いますね。
たまたま見たアーティストがよかったからという成功体験をしているというか。

「この人しか興味ないです」というお客さんが集まるフェスにはない、
「この人が好きならきっとこの人も好きじゃないかな」というフェスのラインナップは
頼もしいし、今年のフジロックには特にそれを感じて素敵だなと思いました。

グラストンベリーに行ってからこそフジロックが余計に好きになった

というのはありますね。

フェスが本来あるべき形である、知らないものへのリーチ、そして音楽体験の世界を広げるということを
フジロックはだいぶ実現していたので。世界に誇れるフェスだと思います。

「次はどんな音楽との出会いがあるんだろう」とワクワクできるようなフェスですね。

ayako
そいうえば。。 サカナクションの山口一郎氏が、フェスのあり方にコメントをしていて、 タイコクラブで有名曲ではないインストを延々20分やったときはいい雰囲気だったのに とある国内フェスで同じことをやったらブーイングが起きたという話をしていました。

これもその一例ですよね、という話をしたら、
なんとエリコさんはそのタイコクラブとその「とある国内フェス」両方に行っていたとのこと!

メジャーなもの、知っているものしか受け入れないというのは残念なこと

ですよね。

「あ、こんな音楽もあるんだ、面白いな」と感じるような感性の豊かさや好奇心、
言ってみればみれば「フジロック的なこと」ひいてはそれと通ずる「海外音楽フェス的なこと」が
もっと日本の中でも当たり前になっていったら面白いと思います。

一方で、山口氏はほんとに、ファンをうまく文化の高みに誘導していると思う、とエリコさん。
そういう動きは本当に貴重ですね。

今回は、エリコさんの海外音楽フェスへの愛とともに、そこへ自分を導いてくれた

フジロックへの深い愛

を感じました。
本家のグラストンベリーに行ったからこそ、日本でそれを立派に体現しているフジロックがもっと好きになるというのも素敵ですね。

私自身も感じましたが、
海外音楽フェスだからよくて、国内はダメ、ということではないんですよね。
日本ではまだ少ないけれど、でも確実に存在する

「知らない音楽や文化への好奇心」というものの総体のひとつが、海外音楽フェス

なのだと思います。

「海外音楽フェス的なこと」、これからも広げていきたいですね。

ayako
エリコさん、熱いお話、どうもありがとうございました!

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