カマシ・ワシントン「Becoming」inハリウッドボウル 試写会レポート

壮大で包容力あるステージ

2021年4月22日。ヒューマントラストシネマ渋谷で行われた
カマシ・ワシントンの「Becoming」
無観客ライブinハリウッドボウルの映像試写会に
いってきました!

音楽レーベルのBeatinkさんが主宰する
本試写会。

上映後には音楽評論家/ブロードキャスターの
ピーター・バラカンさんと
音楽評論家の柳樂光隆さんの対談もあり、
より作品の魅力にグッと迫る時間となりました。

カマシ・ワシントン率いるオーケストラは
人種や性別や年齢などの属性にこだわらない
多様性あふれる超一流ミュージシャンたち。

演奏のすばらしさもさることながら、
ミュージシャンとして、一人の人間として、
カマシが伝えようとするメッセージが
ひしひしと伝わる映像でした。

ミシェル・オバマ氏を描いたNetflix作品
「Becoming」のサントラとして作られた本作。

比較的おとなしく小ぎれいにまとまった
サントラの内容とは対照的に
ハリウッドボウルでのライブでは
情熱的な演奏が繰り広げられています。

無観客なので、曲が終わるごとに
静寂が訪れ、次の曲に移るのですが
あまりの演奏のすばらしさに
スクリーンの前で割れんばかりの拍手を
(心の中で)送りました・・!

意外な生い立ちと姿勢

上映後の対談で知った、
マルコムXの自伝を読んで感化されたという
カマシの若年期。

彼は家庭の複雑さや裕福ではない境遇から
ギャングの道を歩みそうになっていたところを
音楽に救われた、と語っているそうです。
(そういうミュージシャンは多数いますね)

そして、柳樂氏によれば
カマシは黒人ミュージシャンには珍しく
「Black」というキーワードをあまり使わない
そうです。
「抑圧されているのは黒人だけじゃない」
という旨の発言をしており
それが、彼の、人種などの属性を超えて
音楽でユナイトする姿勢に直結していると
感じました。

だからこそBIGYUKI(先月のCottonClubでの
ソロピアノ演奏も素晴らしかった)
のような、黒人でも白人でもなく
ジャンルを自在に行き来するような
ミュージシャンを喜んでツアーメンバーに
迎え入れたのだろうとのこと。

カマシ・ワシントンという人物は、
もはや音楽だけにとどまらず
もっと大きな
人間とか、世界とかいう概念を変えるような
広く深い活動をしている人だな、と思います。

必見!Netflixで見られる「Becoming」

そしてそして。
カマシがサントラを担当した
ミシェル・オバマ氏の魅力に迫った映画
「Becoming」もぜひ見てほしい。

ピーター・バラカン氏が
「ミシェル・オバマという人をより好きになった」
と絶賛するとおり、
信念とパワーあふれる彼女の生きざまに
こちらも感涙でした。
音楽やダンスを愛してやまないところも
共感できます。
こんな人がファーストレディだった現実。
本当に映画そのものですよね。

映像を引き立てることに専念している
カマシオーケストラの演奏に、
ミシェル・オバマ氏への
リスペクトを感じます。

彼女もまた、カマシと同じように
属性という鎖から自らを解き放ち
より良い世界へと
進んでいこうとする信念の人。

カマシの音楽も、姿勢も
そのリスペクトする先のミシェル・オバマも
ひとつながりで温かく勇気づけられます。
オススメ!

図らずもまたもStayHomeなGW.
この機会に、ぜひ体感してみては
いかがでしょう?

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